「インド株インデックス投資の方法」では、なぜ今インド株に投資するか、どのように投資するかについて解説しました。

2024年1月よりいよいよ新NISAが始まり、対象となる投資信託が続々と発表され、あたらしい商品も出てきました。
本記事では、新NISAのなかでどのようにインド株投資信託を選ぶかを検討していきます。
結論から言うと新NISAでインド株投資信託を選ぶなら「iTrustインド株式」、「サクっとインド株式(SBI・iシェアーズ・インド株式インデックス・ファンド」、「iFreeNEXTインド株インデックス」の3択です!!
本記事では詳しくは取り扱いませんが、上記以外にインド株インデックスに投資したい場合はETFであるNEXT FUNDSインド株式指数・Nifty50連動型上場投信は成長投資枠で購入可能です。

この記事のポイントはこちら!!
- つみたて投資枠を使うことを優先するなら「iTrustインド株式」を選ぶ
アクティブファンドの中ではコスト最安で過去5年はインデックスをアウトパフォームしている - インデックスファンドで行くなら「サクっとインド株式」か「iFreeNEXTインド株インデックス」を選ぶ
ただし、どちらも成長投資枠を使ってしまう - 「サクっとインド株式」はSBI証券でしか購入できない
- SBI証券に口座がないがインデックスファンドを選びたいなら「iFreeNEXTインド株インデックス」を選ぶ
- ETFでもよいなら「NEXT FUNDSインド株式指数・Nifty50連動型上場投信」を成長投資枠で購入する
新NISAでは投資信託の対象商品に注意!!
調べてみたところ、分かりにくいなと思ったのが対象となる投資信託です。特に注意が必要なのは「現行の通常NISAの対象≠新NISAの成長投資枠対象」だけど「現行のつみたてNISA対象=新NISAのつみたて枠対象」というところです。



個別株はこういうこと考えなくていいんですけどね・・・



現行NISAではOKなのに新NISAでは成長投資枠でもダメってどういう理屈なんでしょうか・・・ひどい・・・
これはインド株投資信託に限った話ではありませんので、2024年からの投資戦略に大きくかかわってきます。現在つみたてNISA以外で投資信託を購入しており、2024年以降も同じ商品をNISAを利用して購入する可能性がある場合は、新NISAの対象になっているかは要チェックです!!!
新NISAの対象となっている投資信託は下記の投資信託協会に一覧があります。
こちらの対象商品一覧は「成長投資枠の対象商品」と書いてありますが、「オルカン」や「S&P」などつみたて投資枠対象の商品も含まれており、エクセルファイル上L列に「つみたて投資枠」対象かどうかが記載されています。
インド株に投資する投資信託は本記事で紹介する3本以外にも多数あります。他の投資信託を購入したい場合は新NISAで購入できるかをあらかじめ確認しておきましょう。
ただし、成長投資枠の対象となる商品については今後も新たに追加される可能性がありますので最新情報はチェックしていきましょう。投資信託協会のサイトでは12/19にもリストが更新されると記載があります。この日程だとぎりぎり過ぎてクレジットで積み立てだと1月の購入には間に合いません。1月から積み立て枠をフルに利用して毎月つみた予定の方は現時点の情報で方針を考える必要が出てきました。



管理人はiFreeNEXTインド株インデックスを楽天市場のSPUのために毎月30000円積み立てています。2024年以降の戦略はまだ検討中です。



iFreeNEXTインド株インデックスは12/1にやっと新NISA対象に認定されました。11月末まではどうしようか焦りました💦
- つみたて枠に対応するのは「iTrustインド株式」のみだがアクティブファンド
- 「サクっとインド株式」と「iFreeNEXTインド株インデックス」はインデックスファンド
代表的なインド株投資信託の比較
新NISAで購入できるインド株投資信託でコストが低いのはこちらの3商品のみです。どのような違いがあるのかを見ていきましょう。
項目 | iTrustインド株式 | サクっとインド株式 | iFreeNEXTインド株 インデックス |
---|---|---|---|
分類 | アクティブ | インデックス | インデックス |
概要 | 中長期的成長を見込む25-35社に投資 | SENSEXに連動 30銘柄に分散 | Nifty50に連動 50銘柄に分散 |
購入手数料 | なし | なし | なし |
運用管理費用 | 0.9828% | 0.4638% | 0.473% |
信託財産留保額 | なし | なし | なし |
成長枠投資対象 | 〇 | 〇 | 〇 |
つみたて投資枠対象 | 〇 | × | × |
販売証券会社 | 主要ネット証券会社 | SBI証券のみ | 主要ネット証券会社 |
2023年12月1日時点で新NISAの対象となっているインド株に投資できる投資信託は30本あります(投資信託協会発表資料より管理人調べ)。インド+その他の国や地域、インド債券を対象とする投資信託を除外して30本です。一部は口座開設者でないと購入手数料が不明なものありましたが、今回調べた新NISAで購入できるインド株投資信託は他はすべて運営管理費用が2%前後、のきなみ信託財産留保額が0.3-0.5%でした。老後を中心とした資産形成のための超長期つみたて投資を行うことを考えると維持コストは低いに越したことはないので、現実的かつ理想的な選択肢は上記の3つと言えるでしょう。それぞれの特徴をもう少し細かく見ていきましょう。
インデックスの連動対象となっているSENSEXとNifty50の違いについてはこちらご参照ください。





たまに勘違いされている方おられますが、つみたて枠対象商品は、つみたて枠内だけでしか買えないわけではなく、成長投資枠を使って買うことも可能です。
iTrustインド株式
項目 | iTrustインド株式 |
---|---|
分類 | アクティブ |
概要 | 中長期的に成長を見込む25-35社に投資 |
購入手数料 | なし |
運用管理費用 | 0.9828% |
信託財産留保額 | なし |
成長枠投資対象 | 〇 |
つみたて投資枠対象 | 〇 |
販売証券会社 | 主要ネット証券会社 |
他の2つと比べるとアクティブファンドであることが最大の特徴です。運営管理費用がやや高めですですが、インド株に投資するアクティブファンドの中では最安値です。一方でつみたて投資枠で購入できるというのが最大のメリットでしょう。
最も気になるパフォーマンスですが、ここまでのところは、「サクっとインド株式」の連動先であるNifty50や「iFreeNEXTインド株インデックス」の連動先であるSENSEXをアウトパフォーム(上回る成績)しています。アクティブファンドですがそこまで運営管理費用は高くなく、パフォーマンスが良さそうなので選択肢として検討して良さそうな印象です。


販売会社は以下の通りです。主要ネット証券などで購入可能です。


〇 新NISAのつみたて投資枠で購入可能
〇 過去5年間はインデックスをアウトパフォームしている
× アクティブファンドなのでコストがやや高い(ただしインド株のアクティブファンドでは最安)
×?超長期ではアクティブファンドはインデックスファンドに勝てない??
サクっとインド株式
項目 | サクっとインド株式 |
---|---|
分類 | インデックス |
概要 | SENSEXに連動 30銘柄に分散 |
購入手数料 | なし |
運用管理費用 | 0.4638% |
信託財産留保額 | なし |
成長枠投資対象 | 〇 |
つみたて投資枠対象 | × |
販売証券会社 | SBI証券のみ |
2023年9月に発売されたSENSEXへの連動を目指すインデックスファンドです。正確にはブラックロック社の「iシェアーズ・コア S&P BSE SENSEXインディアETF」を主要投資対象としています。
インデックスETFに投資することで間接的にインデックスと同じ値動きを目指す投資信託ということになります。インデックスファンドではありますが、つみたて投資枠対象にはなっておらず成長投資枠でしか購入できないことに注意が必要です。また、購入できるのはSBI証券のみとなっています。
気になった点としては、投資先である「iシェアーズ・コア S&P BSE SENSEXインディアETF」が長期で見ると、SENSEXに追い付いていない点です(下図パフォーマンス推移)。eMAXIS Slim S&Pはほぼ完全にインデックスをトレース(PDFファイルp3参照)しているのに比べると少し気になるところではあります。(注:eMAXISの資料は過去1年のみのデータです。長期でのインデックスとの比較は報告書に記載がありません。長い目でみると運営管理費用がチリツモで少しずつ差が出てくるのでしょうか。運営管理費用を考慮すると完璧にインデックスをトレースするためには運営管理費用分だけインデックスを上回る運用成績となる必要がありますし。)


ただし、基準となるインデックスには追い付いていないものの長期成績は非常に安定した好成績と言えます。





インデックスを追っかけているETFがインデックスに負けているからさらに負けるってことがないといいのですが。。。
〇 SENSEXを対象とするインデックス投資信託でコストが安い
〇 新NISAの成長投資枠で購入可能
× SBI証券でしか購入できない
× 新NISAのつみたて投資枠では購入できない
iFreeNEXTインド株



2023年3月に発売された、本邦初のインド株インデックス投資信託です。12月のギリギリになって成長投資枠で認められました!
項目 | iFreeNEXTインド株 |
---|---|
分類 | インデックス |
概要 | Nifty50に連動 50銘柄に分散 |
購入手数料 | なし |
運用管理費用 | 0.473% |
信託財産留保額 | なし |
成長枠投資対象 | 〇 |
つみたて投資枠対象 | × |
販売証券会社 | 主要ネット証券会社 |
インド株式のインデックスであるNifty50への連動を目指したインデックスファンドです。同じくインド株式のインデックスであるSENSEXに比較すると、投資銘柄数が多いため(Nifty50は50銘柄、SENSEXは30銘柄)より分散効果が高いと言えます。ただし、どちらも主要銘柄は重複しており、実際の成長率はNifty50とSENSEXは大差ありません。
先物取引などを利用してNifty50への連動を目指しています。2023年3月に販売されたばかりの商品です。長期的にどの程度インデックスに連動できるかは不明な部分があります。運営管理費用に関しては、eMAXIS Slim S&P 500の0.09372%に比べると約5倍ではありますがこれは新興国投資なので多少はしかたないでしょう。



先物取引を利用しているということで当初は新NISA対象外だったという説があります。



先物取引と聞くとETFに投資する「サクッとインド株投資」よりコストがかかりそうですがどうなんでしょうか。。。
「サクっとインド株式」とは違って、主要ネット証券などで購入可能です。SBI証券でも購入可能です。


〇 Nifty50を対象とするインデックス投資信託でコストが安い
〇 新NISAの成長投資枠で購入可能
〇 SBI証券以外の主要ネット証券で購入可能
× 新NISAのつみたて投資枠では購入できない
まとめ
新NISAで投資信託をつかってインド株に投資する方法について紹介しました。新NISAに対応するインド株投資信託は29本しかなく、ほとんどがアクティブファンドです。コストなどを考えると、現実的な選択肢として、新NISAでインド株投資信託を選ぶなら「iTrustインド株式」、「サクっとインド株式」、「iFreeNEXTインド株インデックス」の3択です!!
「iTrustインド株式」はアクティブファンドですが、新NISAで購入できるアクティブファンドの中では運営管理費用0.9828%と最安値です。新NISAのつみたて投資枠で購入できる唯一のインド株投資信託です。過去5年間のパフォーマンスは、下記2つの連動先であるSENSEXやNifty50をアウトパフォームしています。
「サクっとインド株式」はインデックスファンドですが、成長投資枠でしか購入できず、取り扱いはSBI証券のみです。
「iFreeNEXTインド株インデックス」もインデックスファンドですが、成長投資枠でしか購入できません。取り扱いはSBI証券含め、主要な証券会社で購入可能です。
以上のことから、管理人の私見ですが新NISAでのインド株投資信託の選び方は、
- つみたて投資枠を使うことを優先するなら「iTrustインド株式」を選ぶ
アクティブファンドの中ではコスト最安で過去5年はインデックスをアウトパフォームしている - インデックスファンドで行くなら「サクっとインド株式」か「iFreeNEXTインド株インデックス」を選ぶ
ただし、どちらも成長投資枠を使ってしまう - 「サクっとインド株式」はSBI証券でしか購入できない
- SBI証券に口座がないがインデックスファンドを選びたいなら「iFreeNEXTインド株インデックス」を選ぶ
ということになるかと思います。
本記事は管理人による金融相場や個別株などの金融商品に関する感想、記事執筆時点での情報です。特定の金融商品の購入を勧めるものではありません。金融機関の口座開設、金融商品の取引、その結果等への一切の責任は負いかねます。


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